15時までのご注文 最短翌営業日配送

  1. HOME
  2. FEATURES
  3. 【『夢造』のはじまり vol.2】農口尚彦が新たな酒を口にする時

【『夢造』のはじまり vol.2】農口尚彦が新たな酒を口にする時

2025.11.19

数々の名作ウイスキーを生み出してきたブレンダー・輿水精一さんが、農口尚彦研究所で開業当初から造りためた酒をブレンディングして完成した新たな日本酒『夢造』。


前回は、この『夢造』への想いを輿水さんと農口杜氏に語っていただく対談をお送りしました。実はこの対談と時を同じくして、農口杜氏はこのブレンド酒を初試飲。取材班はその貴重な場面に立ち会うことができました。今回はその試飲の様子や、ラベルにデザインされる書の選定の様子をレポートします。


農口尚彦をよく知る方はご存じかもしれませんが、実は酒造りの神と呼ばれる農口杜氏はお酒が飲めません。自身で醸した日本酒の試飲はもちろん行いますが、今回のように他者が仕上げたお酒を口にするシーンは、めったに見ることができないのです。


まずは『夢造』に使用した日本酒の各種単体と、実際にブレンドした『夢造』を並べ、輿水さんが味を確かめます。


近年日本酒を飲むことが増えたそうで、試飲をしながら「単体で飲んでもやはり美味い」と話す輿水さん。「個人的には吟醸香が強いお酒は少し苦手で。そういう意味では農口さんのお酒はすごくバランスがいいなと思います」とコメントをいただきました。



続いて農口杜氏がグラスを手に取ります。その瞬間、場の空気が凛とするのを感じました。お酒を多く飲むことができない農口杜氏だからこそ、試飲への集中力は相当なものです。


一つずつ単体の日本酒を口に含んだ後、『夢造』を味わい、一言。


「うん、こっちが美味いなぁ」


農口杜氏が醸したお酒の個性を活かしながら、輿水さんがおこなった穏やかなグラデーションのようなブレンディング。その二人の繊細な仕事が、形になった瞬間でした。



農口杜氏も「美味い」と試飲を重ね、「もう顔が赤なってしもたわ」と笑っていたのにも頷ける程の仕上がりとなりました。


『夢造』というのは、農口杜氏が普段からサインをする際につけ加えていた言葉。夢を重ねて、生涯最高の酒を造るという農口杜氏の酒造りに対する精神を表しています。


今回、その言葉を銘柄とし、サントリーウイスキーの『響』や『知多』、NHK大河ドラマ『新選組!』などの題字を生み出した荻野丹雪さんにラベルの書を依頼。この日は荻野さんも農口尚彦研究所へお越しいただき、直接農口杜氏や輿水さんと対峙して原案をご提案いただくことができました。


「お酒の味わいというよりは、今回の商品へのお二人の想いや農口さんが大事にされている“夢造”という言葉に対して、私の中で想像を膨らませて文字の造形や線質を考えました」と話す荻野さん。


日本酒として「美味しそうに見えること」を前提に、このお酒の個性に合うものを選んでもらえればとたくさんの案をお持ちいただきました。


実際に書を並べてみれば、凛々しいものから柔らかい空気を纏ったもの、繊細なものなど様々。荻野さんの感性の幅広さを感じます。


荻野さんからの説明を伺いながら、選定の話し合いは思いのほか白熱。お互いを尊重しつつそれぞれの立場からの意見が飛び交いました。ものづくりに人生をかけ経験を積んだ方々の本気を垣間見たような気がします。


そして、農口杜氏が最終決断を下した書がこちら。


農口杜氏の酒造りに対する力強い想いが表れた芯のある書。この書をラベルのメインとすることで、日本人が持つ実直さと共に挑戦心が垣間見えるような雰囲気を纏った日本酒となりました。国内のみならず世界にも羽ばたいていく日本酒としてぴったりな仕上がりです。


この書を刷るラベルは紙質にもこだわり、能登の輪島で手漉き和紙を制作されている『能登仁行和紙』さまにご依頼をさせていただく運びとなりました。そちらについては第3弾で詳しくご紹介させていただきたいと思います。


手に取られた皆さまにはお酒の味わいはもちろん、書の美しさにもご注目いただき、つくり手が紡いできた一本の日本酒の物語をお楽しみいただければと思います。


たくさんの方々に携わっていただき、できあがった能登復興支援酒『夢造』。私たちだからこそできる形で、皆さまからの復興支援の気持ちを、必ず能登へ届けます。



ページ上部へ戻る